トランプ米国大統領の停戦調停努力が進む中、蚊帳の外に置かれた形の欧州諸国が危機意識を強めている。そこで出てきた反応の一つが、「欧州軍」なるものの「平和維持軍」構想だ。
イギリスとフランスが、いわば存在感をかけてメディアにアピールしているので、特にトランプ大統領を毛嫌いするメディアで、頻繁に重大ニュースであるかのように取り上げられている。

スターマー首相(英国)SNSより
しかし中身が曖昧模糊としている。語り合っている方々の間で、理解の統一が図られているのか、かなり怪しい。参加国も、イギリスとフランス以外には、明らかになっていない。「会議に来てくれ」と言われれば、もちろん多くの欧州諸国が会議に参加するだろうが、それと実際に兵力を提供することとは、次元が違う話になるのは、言うまでもない。
ところが曖昧模糊としているのをいいことに、日本で気が早い方々が、「参加すべきだ」という論陣を張っている。
今この件が特徴的なのは、日本の自衛隊制服組及び自衛官OBを中心とする軍事評論家層などが、かなり強い心情的なコミットメントを見せていることだ。2017年に南スーダンから撤収してから、国連PKOがアフリカその他の地域に広範に展開していることを知っていても、国際平和活動の参加に関心の高まりが起こったことはなかった。ところが今、ロシアに対抗するウクライナへの派兵に関心が表明されているのは、日本社会あるいは関係組織の組織文化を物語る様子として、印象深い。