(※1)ハッブル定数: 宇宙がどれくらいの速度で膨張しているかを示す値。観測方法によって異なる値が得られ、「ハッブル・テンション」と呼ばれる大きな議論を呼んでいる。

(※2)暗黒物質(ダークマター): 銀河の回転速度などを説明するために想定された目に見えない物質。直接観測ができないため謎が多い。

(※3)暗黒エネルギー(ダークエネルギー): 宇宙の加速膨張を説明するために仮定されたエネルギー。これも正体不明で、観測ではその影響だけが見える。

奇妙な偏りは私たちがブラックホールの中に住んでいることを示す

NASAのデータは私たちがブラックホールの中に住んでいる可能性を示唆している
NASAのデータは私たちがブラックホールの中に住んでいる可能性を示唆している / FIG5は、JADES GOODS-Sフィールド内で、天の川銀河と同じ方向、つまり反時計回りに回転している銀河を示した図です。 この図では、各銀河がどの位置にあり、どの方向に回転しているかが一目で分かるようにマークされています。 見た目から、同じ方向に揃って回転する銀河がどのように配置されているかが直感的に理解でき、銀河の回転のパターンにおける一貫性が強調されています。 また、FIG5に記載された各銀河の座標情報は、統計解析やさらに詳細な調査のための基礎データとしても活用されます。 この図は、銀河の回転方向に見られる偏りが実際に存在する可能性を示唆し、宇宙全体の構造や回転パターンの理解に大きく寄与するものとなっています。/Credit:Lior Shamir . Monthly Notices of the Royal Astronomical Society (2025)

調査に当たってはまず、ジェイムズ・ウェッブ宇宙望遠鏡(JWST)の大型観測「JADES」で撮影された深宇宙の銀河画像を、まるでコーヒーに浮かんだ渦を観察するように見比べて、銀河の回転方向を次々に調べるというものです。

まず、複数の波長で撮影された鮮明な写真を用意し、銀河中心から外側に向かう光の強さの変化をチェックすることで、腕の渦がどちら向きに巻いているかを自動で判定しました。