「非実在型炎上」という語が振り回されている。

東洋水産の「マルちゃん」赤いきつねCMへの無理筋非難

東洋水産の「マルちゃん」ブランドの商品である「赤いきつね」のCMを掲載した2月6日のXでの投稿に関して15日から「キモい」といった無理筋非難が多数発生しました。

これに関して17日に株式会社メディア・ヴァーグが運営するLASISAのYahoo掲載記事「「性的でキモい」 マルちゃん【赤いきつね】アニメCMが炎上 「エロ要素なくない…?」反論多数も、やまぬ批判 2/17(月) 6:32配信」がUPされると、コメント欄に国際大学GLOCOM客員研究員小木曽健氏から「このケースは「非実在型ネット炎上」に属するもので、ほとんどの方はこの記事を見て、はじめて騒動を知ったのではないでしょうか?」という投稿が為されました。

このコメントがX上では「非実在型ネット炎上」という語の響きの良さからなのか拡散され、「この現象にやっと名前がついた」といった感想も出てきており、このコメントをベースとした本人の記事とメディアの取材記事がUPされるに至っています。

が、「赤いきつね」は、「非実在型ネット炎上」と呼ぶべきなんでしょうか?

というのは、上掲Yahoo記事が出るまでに理由の無い非難やジェンダー等の観点からの批判投稿は、東洋水産の当該投稿に直接付けられた引用や返信だけを調べても少なくとも数百件存在しており(後述)、代表的な批判投稿はその時点まででも1000万インプレッションのものもあるからです。

なお、個人的には上掲Yahoo記事のような内容には賛同しかねます。無理筋批判をも両論併記的に扱って、騒動を面白がってネタにしてインプレ稼ぎしているだけだからです。

『非実在型炎上』の初出は2020年の鳥海不二夫教授の記事