ようするに、時価総額トップ10銘柄は1銘柄当たりで下から480銘柄の95倍の貢献をし、そのすぐ下の10銘柄も1銘柄当たりで下から480銘柄の7.1倍の貢献をした結果として、S&P500株価指数は2022年10月の底値から2024年末までに約66%もの上昇率を達成したのです。

そして、下段にはこのトップ10銘柄の中でもとくに株価上昇が目立っていた7銘柄、世に言うマグニフィセント7の時価総額合計がS&P500全体の時価総額の33%に達していたことを示しています。

マグニフィセント7とは、アップル、エヌヴィディア、マイクロソフト、アルファベット(事業会社名としてはグーグル)、アマゾン、メタ・プラットフォームズ(旧社名フェイスブック)、テスラの7社のことです。

ちなみにこのグラフの起点となった1995年には、マグニフィセント7の時価総額はS&P500全体のわずか1~2%でした。もちろん1995年の時点ですでに上場していたマグニフィセント7のメンバーはアップルとマイクロソフトの2社だけでしたから、その点は考慮する必要があります。

ただ、残る5社がすべて上場していたとしても1社当たりでS&P500全体の時価総額の1%を超える時価総額を占めていたとは思えません。実際に10年後の2005年、今から20年前ですでにアマゾンとアルファベットは上場していた時期になっても、やはりこれら4社の時価総額はS&P500全体の2~3%に過ぎなかったのです。

マグニフィセント7の中で上場が最後になったのは、メタ(フェイスブック)の2012年でした。グラフでも、ちょうどこの頃に底を打ってから、マグニフィセント7の株価、そして時価総額はうなぎ登りの上昇を示すようになります。

これは決して「マグニフィセント7が全社揃って上場企業となったので、業績成長の著しいこれらの企業の株をだれでも買えるようになったから・・・・・・」といったおとぎ話のような成功物語ではありません。