2023~24年に営業キャッシュフローが急激に伸びていたはずなのに、フリーキャッシュフローが2024年には横ばいになってしまった理由も、生成AI関連の設備投資を増やしたためということになっています。
いわゆる「増強現実」の世界を見せてくれる競馬ウマの遮眼帯のような野暮ったい眼鏡ではメタが先鞭をつけ、アップルが二番煎じで同じように失敗しましたが、メタはそれ以外では何をやっても二番煎じという印象の強い企業です。
たとえば、デジタル広告代理業界ではアルファベットに次ぐ2位ということになっていますが、トランプが仕掛ける関税戦争が本格化すると大きなダメージを受ける中国のネット通販業者の中でもかなりお粗末な部類に入るテムやシーインが最重要20~30顧客の中に入っていたりして、収益基盤は弱そうです。
あるいは創業CEOマーク・ザッカーバーグにしても、軽率に非難が集中しそうな言動が目立ちます。
あれだけ喜々としてファクトチェッカーを使って反ウォーク言説に対する言葉狩りをやっていたのに、トランプが当選するやいなや「もともとXのコミュニティノート方式をやりたかったのに、民主党リベラル政権に無理強いされていやいやファクトチェッカーを使っていた」などと言い出して、民主党リベラル派からも共和党保守本流からも軽蔑されているのは、その典型でしょう。
あとで詳述しますが、テスラの場合本業であるEVが突然死という事態があり得るのに比べると、本業は緩やかな衰退にとどまり、エヌヴィディア疑獄が大規模化しなければなんとか生き延びるでしょうが、これから上昇気流に乗ることはほぼ不可能だと思います。
アルファベットの設備投資はほんもの
アルファベットの場合、次のグラフで読み取れるように2023年後半からフリーキャッシュフローが激減に転じています。また営業キャッシュフローも、マイクロソフトやメタほど急激に伸びてはいません。