ミックス犬ではありませんが、鼻ぺちゃでブサ可愛い系の純血種がいますよね。パグやフレンチブルドッグを始めとしてほかにもいます。オランダでは2019年からこうした短頭種の犬に対する「繁殖禁止令」が施行されています。新たに飼育することも禁止です。
犬種の指定はなく、「頭の3分の1分、鼻が前に出ていないマズルの短い犬」という決まりです。これも見た目優先で作り出されてしまったということが問題になっているのですが、具体的には呼吸器の病気を起こしやすいことが理由になりました。

このマズルの短い犬は航空機にも乗せてもらえません。元々呼吸しづらい形質のため、低酸素症で死んでしまうケースが多いためです。純血種でも好まれる形を作り出した結果、遺伝性疾患とは別に残酷なことになったケースです。
可愛らしさ、ユニークさから時に残酷ともいえる犬が作り出され、品種として登録もされてきました。
しかし、犬の立場から「見た目だけで犬種を作る」ことを考え直す動きが出てきているのが世界的な流れです。
同じことはミックス犬にもいえます。遺伝の知識がないまま犬を交配させ、ミックス犬を生み出している犬舎があれば、それはもはやブリーダーではなく、パピーミルです。見学NGの犬舎は要注意かもしれません。
ミックス犬の本当の姿を知り、家族に迎える時はしっかりブリーダーを選び、両親ともしつけのしやすい犬種かなど、容姿だけでなく「家族として我が家に合うか」を確認するのが大切。
そして、万が一の遺伝性疾患についても知っておいてあげてください。
ミックス犬の中には、可愛い姿の影に重たいものを背負って生まれてくる子もいます。残酷な遺伝の問題で気の毒なことになる犬を減らすため、純血種だけでなく、ミックス犬も善良なブリーダーさんからお迎えするのが最も大切なことなのです。
