このリスクとは「純血種に多い遺伝性疾患が発症する可能性」です。
「雑種は純血種より強いって言うでしょう。ミックス犬は純血種より病気になりにくいのでは?」と思う人もいるかもしれません。

しかし、純血種を人為的に交配したミックス犬は、元の品種がわからなくなっている雑種と違い、両親の持っている遺伝性疾患をそのまま受け継いでしまうリスクが高いのです。
ちゃんとしたブリーダーなら遺伝子検査を受けた犬を繁殖に用いて、犬舎の見学や遺伝情報の問い合わせにも応じてくれるでしょう。
ちなみに、人気の犬種が持っている代表的な遺伝性疾患を公益社団法人埼玉県獣医師会が「犬の遺伝性疾患について」というページでまとめています。
疾患によっては年をとってみないとわからない白内障のような疾患から、アレルギー性皮膚炎のような、若い頃から一生付き合っていかなければならない疾患として出ることもあります。また、骨に出る疾患では痛みで可哀想なことになるでしょう。
悪質な犬舎からは「ミックスなのでわからない」と言われかねません。遺伝性疾患の知識がないと飼い主は「都合のいい商売相手」で、犬は単なる「売り込みやすい人気の高額商品」になってしまいます。
ミックス犬の可愛さに心を鷲掴みにされてしまった人は、悪徳業者からカモられないようにしてください。
トイプードルは特に遺伝性疾患の種類が多いうえ、躾のしやすさ、性格のよさ、毛質の可愛らしさなどから交配に使われることが多いため、ミックス犬で「○〇プー」とつくミックス犬が多く作出されています。

ミックス犬を家族に迎えたい場合はブリーダーを厳選し、出やすい疾患があるかを確認、かかりつけの獣医を作り、定期健診を受けるなどして健康管理していくことをおすすめします。