天体力学を数理的に体系化し、惑星の摂動理論を発展。そして太陽系が「数学的に安定」であることを証明したのです。
凄くないですか?
そして、天体の重力がお互いに及ぼす影響を解析して、長期的に安定した軌道を維持する仕組みを明らかにしたのです。
ガリレオは「天文学の父」と呼ばれますが、ラプラスは「天体力学の父」と呼ばれています。
そして、3個か、それ以上の天体の公転周期が「互いに簡単な整数比になっている場合の共鳴」を「ラプラス共鳴」と呼びます。
これが木星のガリレオ衛星のうち3つに見られます。
中心天体である木星の回りを公転する3つのイオ、エウロパ、ガニメデの公転周期は1:2:4という簡単な整数比となっている状態です。
これを平均運動共鳴といい、3個の衛星が共鳴の状態にあるので、ラプラス共鳴と呼ばれます。
共鳴の結果、この3つの衛星が近接遭遇を起こさないため、軌道が安定化しています。軌道交差を起こすようなことがあれば弾き飛ばされてしまいます。
3つの衛星が安定した軌道を保っています。
木星の衛星イオ、エウロパ、ガニメデの3つの軌道はラプラス共鳴です。公転周期は1:2:4。太陽系でラプラス共鳴が見られるのは木星のガリレオ衛星だけです。
今のような精密な観測機器があるわけでもなかった時代にこれを発見したラプラスは偉大ですね。
名前が残るわけです。
この共鳴はとてもレアなものであると同時に、カリスト以外のガリレオ衛星に特別な関係を与えました。この3つの天体は絶妙なタイミングで重力の影響を与え合っています。地獄の同盟とでも言うべき過酷なものです。
地球から低倍率な望遠鏡で観測するだけなら美しい金色の小さな粒に見えるガリレオ衛星ですが、その実、イオは地獄の入口です。