東日本大震災から14年。このような大地震の発生直前に、飼っているペットの異常行動から地震発生を察知し、難を逃れた人々がいる。今回は犬と猫が地震直前に突然示した異常行動の瞬間を捉えた映像などを中心に紹介する。

■地震の直前に走り出した犬

 まずは海外の事例をいくつか紹介する。2010年1月10日16時27分(現地時間)に米カリフォルニア州北部沿岸で、M6.5の地震が発生した。この地震は「ユーレカ地震」と呼ばれ、35人の負傷者と多くの家屋が損壊するなどの被害をもたらした。この時、同州北部ハンボルト郡の都市ユーレカ(ユリーカ)のあるオフィスで飼われていたソフィーというメス犬(ラブラドールレトリバー雑種)が異常行動を示していた。

オフィス内の監視カメラが捉えていたというこの映像では、座ってくつろいでいたソフィーが、17:21:38(動画上部に記載)に突然立ち上がり、一目散に走って画面の外へと消える様子を確認できる。その時、デスクで座っていた男性が犬の様子に気づいて立ち上がった(17:21:43)瞬間、揺れが始まった。男性は避難して画面から消え、その後はオフィスの他の人々も走って男性に続いた。

地震前にペットの犬猫が飼い主に見せた“予知行動”5例!
(画像=画像は「USGS」より(提供=百瀬直也),『TOCANA』より 引用)

その後に続く別カメラの映像では、17:21:46にソフィーが走っていく姿が収められている。どうやらソフィーは地震発生の4~5秒前に異変を察知して、即座に避難行動を取ったようだ。そのオフィスは建物の2階か、より上階にあったようだが、大きく揺れるS波と呼ばれる地震波よりも速く到達するP波を感知して行動を始めたのではないかと思われる。通常、地震発生時にはP波によって引き起こされる初期微動があり、人間もそれを感じることができるが、犬の方が敏感に察知したのだろう。