今後は、複数の細胞が同時に融合するケースや、融合に失敗した際にどのような衝突が起こるのか、そして核融合と減数分裂がどのように連動していったのかなど、さらなる検証が待たれます。
環境ストレスと性との関連をより深く調べれば、単細胞の生存戦略のみならず、細菌や古細菌など他の生物で観察されるさまざまな“融合”の進化を探るうえでも大きな手がかりとなるでしょう。
私たちが当然のように享受している“性”が、実は「厳しいときほど一緒に巨大化して生き延びる」ための知恵だったとすれば、これまで当たり前だと思っていた生殖の仕組みが、まったく新しい観点から再評価されることになるかもしれません。
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元論文
Cell size and selection for stress-induced cell fusion in unicellular eukaryotes
https://doi.org/10.1101/2024.08.19.608569
ライター
川勝康弘: ナゾロジー副編集長。 大学で研究生活を送ること10年と少し。 小説家としての活動履歴あり。 専門は生物学ですが、量子力学・社会学・医学・薬学なども担当します。 日々の記事作成は可能な限り、一次資料たる論文を元にするよう心がけています。 夢は最新科学をまとめて小学生用に本にすること。
編集者
ナゾロジー 編集部