「My Relief」を日本でリリースしたかった、そのワケとは

——スマホで花粉症の症状を軽減する「My Relief」とはどのようなツールなのでしょうか?
「My Relief」は、スマホに数分指を触れさせることで花粉症やアレルギーの症状を軽減させるツールです。症状が気になる際に繰り返し使用することで、徐々に症状を軽減できます。東洋医学でいう「気」の流れを整えることで症状軽減にアプローチするのですが、薬を使用しないため、従来の花粉症やアレルギー治療でありがちな眠気などの副作用もありません。
——薬に頼らず、スマホを使用したソリューションにしたのはなぜですか?
私自身が、どんな薬を使っても症状がなかなか改善しなかったためです。さらには、先ほども話したように、副作用に悩まされている方も多いですよね。スマホをデバイスとして利用した理由は、より多くの方に利用していただくためですね。
もともと、この「My Relief」の仕組みは、図形が書かれている紙に直接指で触れて行うものです。しかしその方法だと、その紙が準備されている場所にいないと使えないものになってしまいます。このハードルを超えるためには、この仕組みを誰もが持っているデバイス、つまりスマホに載せることが最適だという結論に至りました。
また、紙だと改善点や利用者からのフィードバックを反映することに時間がかかります。スマホの場合、アップデートが容易で、常に最新の状態で利用できます。こうした迅速な最適化も、スマホをデバイスに選んだ理由の一つです。
——スティーブ氏はこれまでトレンドマイクロのCEOとしてアメリカや台湾でも事業を行っていましたが、「My Relief」は日本でのリリースでしたよね。その理由はなんでしょうか?
理由はおもに2つあります。
まず、日本が世界でも類を見ない花粉症大国だということ。2019年に日本耳鼻咽喉科免疫アレルギー感染症学会が実施した調査では、なんと国民の約42.5%が花粉症の症状があるという結果が出ています。さらには2024年、私たちが第3者機関のマーケットリサーチ会社(株式会社プラグ)で行ったn=25,000人のネット調査では、55.4%が花粉症であるという結果でした。日本では、それだけ多くの方が花粉症に苦しんでいるのです。
もう1つは、私のビジネスが大きく成功した場所が日本であったことです。自分が富を得られた場所に何か還元したいという思いがあり、今回「My Relief」をリリースするに至りました。
——「My Relief」を無料で提供しているのも、「日本に何か還元したい」という気持ちからでしょうか?
そうですね。まさにその思いで無料提供を行っています。
しかし実際に行ってみると、日本でのNPO活動、ツールの無料提供がどれだけ難しいことかを実感する瞬間もあります。
日本においては、無料で提供することでむしろ信頼性を感じてもらえないという場合があるのです。これは日本が非常に社会保障が整備された国だからということも一因にあるのでしょう。
プロモーション活動を通して、徐々に受け入れてもらえている感覚はありますが、社会貢献というものの難しさを実感しています。