いずれにせよ、このままの状態で秋春制に突入すれば、不公平な日程となることは明らかだ。少しでも雪国クラブの負担を減らすにはどうすればいいのか。


国立競技場 写真:Getty Images

「THE国立DAY」を雪国クラブのために適用しては?

Jリーグは、昨2024シーズンから「THE国立DAY」と称し、J1、J2合わせて13試合を国立競技場開催にしている。今2025シーズンも10試合が国立で開催される。この試みを、雪国クラブのために適用することはできないだろうか。

「THE国立DAY」はもっぱらFC東京、東京ヴェルディ、町田ゼルビア、横浜F・マリノス、鹿島アントラーズ、さらにJ2のジェフユナイテッド市原・千葉といった関東のクラブのホームゲームとして開催される。しかし、ヴィッセル神戸や、昨2024シーズンはJ2だった清水エスパルスといった地方クラブがホームゲームを開催した例もある。

雪国クラブの立場に立てば、ホームゲームを中立地で開催されることへの抵抗は当然あるだろう。さらにJ2、J3でどれだけ集客できるのかという問題もある。しかしながら、普段は首都圏では見られない対戦を国立開催にすることで、新規ファンの開拓に繋がる可能性もあり、東京に暮らす雪国出身者にとって、応援するクラブを直接目にできるチャンスとも考えることもできよう。

さらにキャンプ地が首都圏であれば、選手が束の間のオフに帰宅することも可能となり、わずかではあるがストレスを減らすこともできるのではないだろうか。

人間がどれだけあがいても、自然現象に抗うことは不可能だ。そして秋春制導入以降、最大の敵となることも必定だろう。雪国クラブのホームスタジアムや練習場でのヒーティングシステムの設置が財政的に現実的でないならば、アイデアで乗り切るしかない。完全に「公平」な日程を組むことは不可能かもしれないが、「不公平感」をわずかでも減らすことはできるはずだ。