現地時間の2/28、ホワイトハウスの執務室でトランプ、ヴァンスとゼレンスキーが言い争う様子は、世界に衝撃を与えた。日本でもここまで多くの人が一斉に話題にする海外の映像は、9.11のツインタワー以来、記憶にない。
なぜそんな事態が世界に配信されたか、見立てはおおむね3つに分かれる。
① トランプとヴァンスが無知で粗暴だから。 ② しかし彼らを怒らせたゼレンスキーも拙劣。 ③ 最初からこの様子を流すことを狙っていた。
現時点で「断定」するのは陰謀論になるが、私は③が正しいと思う。実際に匿名ながらBBCでは、「外交専門家」もこう言っている。
ある外交専門家に言わせると、公の場でのこの口論は計画的なものだったのではないかと一部で疑われている。仕組まれた、政治的なひったくりのようなものだったのではないかと。つまり、ゼレンスキー氏をアメリカの言いなりにさせるか、あるいは次に何が起きても彼のせいにできるような危機を、わざと引き起こしたのではないかと。
強調は引用者
事実、トランプはキレたように見えて、”it’s good for the American people to see what’s going on” ともはっきり言っている(以下のCNNの 5:46~)。アメリカの視聴者に対して、「こんなやつとはディールできない!」と見せつける公開処刑として、TVカメラを入れたとする推測は合理的だ。
それではトランプとヴァンスは粗野なだけでなく、ゼレンスキーの「不当な貶め」を目論む悪辣な人物なのか。上記の動画は「口論」のほぼ全体をノーカットで捉えているが、通しで見るとそうとも言えないことがわかる。