これまでは、横軸が増えたら縦軸がどれくらい増えるかといった、プラス方向の相関関係をみてきました。
しかし「タバコを吸う本数と寿命」のように、一方が増えると他方が減っていく関係も存在しています。
プラス方向の相関係数は「0から+1」の間で示されましたが、マイナスの関係にある場合の相関係数は「0~-1」の値で示されます。
また負の相関係数の場合にも同じように、弱い(-0.1~-0.3)、中程度(-0.4~-0.6)、強い(-0.7~0.9)が存在しており、-1となると完全な逆比例となります。
相関係数が高くても因果関係があるわけではない

統計データを分析すると、夏にアイスクリームの売り上げが増えると同時に溺死事故の発生率も増加することが観察されるかもしれません。これは表面的には二つの変数間に正の相関関係があるように見えます(つまり、一方が増えるともう一方も増える)。
言うまでもないかもしれませんが、「アイスクリームの消費が溺死事故を引き起こす」と結論づけることは大きな誤りで実際には、夏という季節が共通の原因となっています。
このように共通の原因から発せられた相関関係がみられる事象には、しばしば因果関係があると錯覚してしまうので注意が必要です。
同様の相関関係があるものの因果関係がない例としては「ミニスカートの流行と株価」「ロシアの政治的トップの頭髪パターン(ツルフサ論)」「SNSの使用と幸福感」「新聞の購入と政治への関心」が知られています。
これらは調査によってしばしば高い相関がみられることがありますが、因果関係があるわけではありません。
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参考文献
複数の変数の関係性を見る
https://www.stat.go.jp/naruhodo/10_tokucho/hukusu.html