4. 孤児の物語(The Orphan’s Story)
『孤児の物語』は1600年代初頭にスペインで書かれた孤児を主人公の小説で、著者は後にパレルモ大司教になった僧侶マルティン・デ・レオン・カルデナスであるといわれている。
同書は長い間失われたと考えられていたのだが、1965年にスペインの学者がニューヨークのヒスパニックソサエティのアーカイブに唯一残っている同書を見つけた。しかし、どういうわけか編集して出版する試みは何度も失敗し、その中には亡くなった者が3人もいたのである。こうしたことからこの小説は呪われており、出版を試みた者は死ぬという噂が広まり始めた。
ヒスパニック文学の研究者、ベリンダ・パラシオス氏が最終的に出版に漕ぎつけたのだが、教授からは「私はあなたに警告しなければなりません、小説は呪われています。あなたは以前にそれに取り組んだ人々が死んだことを知っている必要があります」と警告を受け、パラシオス氏は親友に出版前にもし自分が死んだ場合、原稿を燃やすように頼んだということだ。
しかし、幸いにも2017年に『孤児の物語』は無事に出版され、400年もの歳月を経て復刻されることになった。