もし親や教師が「明るく接しているのに、娘や生徒があまり反応を示さない」と感じているならば、それは本人の不安の強さが関係している可能性を視野に入れ、より丁寧なコミュニケーションや専門家の相談を検討してもよいかもしれません。

一方で、不安を抱えた男の子は、ポジティブな表情や言葉かけによる支援を比較的受け取りやすいかもしれず、具体的な励ましや称賛、あるいは一緒に楽しい時間を過ごすことが、安心や自信につながる可能性が高いでしょう。

こうした研究が進めば、子ども一人ひとりの心の状態や性別に合わせた教育・支援プログラムを作るうえで、より具体的な指針を得られるでしょう。

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元論文

Anxiety symptoms are differentially associated with facial expression processing in boys and girls
https://doi.org/10.1093/scan/nsae085

ライター

川勝康弘: ナゾロジー副編集長。 大学で研究生活を送ること10年と少し。 小説家としての活動履歴あり。 専門は生物学ですが、量子力学・社会学・医学・薬学なども担当します。 日々の記事作成は可能な限り、一次資料たる論文を元にするよう心がけています。 夢は最新科学をまとめて小学生用に本にすること。

編集者

ナゾロジー 編集部