子どもから思春期にあたる年代の脳は、幸せそうな顔を見たときに男女で違う反応を示す――アメリカのテュレーン大学(Tulane University)をはじめとする複数の研究機関が行った研究によって、そんな興味深い結果が明らかになりました。
さらに、この違いには「不安レベル」が深くかかわっている可能性があるといいます。
具体的には、不安が高い女の子はハッピーな表情への脳の反応が弱まり、一方で男の子は強まるという対照的なパターンが見られました。
今回の研究では、怒り顔や中立の表情を見せたときの脳活動との比較も行い、子どもたちがさまざまな感情表情をどのように脳で処理しているのかを詳しく探っています。
子どもたちのメンタルヘルスや対人スキルを考えるうえで、新たな手がかりになるのでしょうか?
研究内容の詳細は『Social Cognitive and Affective Neuroscience』にて発表されました。
目次
- 笑顔の認識に男女差はあるのか?
- 『幸せ顔が脳に響かない』女の子と『敏感すぎる』男の子、そのわけは?
笑顔の認識に男女差はあるのか?
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子どもは日々、家族や友だち、先生など、さまざまな大人や同年代の仲間と接するなかで、相手の表情やしぐさに敏感に反応しています。
たとえば、親がにこやかに「おかえり」と迎えてくれると、子どもは安心感を抱きやすくなる一方で、もし親が怒り顔やピリピリした表情をしていれば、その日の出来事を話しにくく感じるかもしれません。
こうした「表情を読み取る能力」は、自分の気持ちを伝えたり相手と気持ちを通わせたりするうえで、大人以上に子ども時代からとても大切な役割を果たしているのです。
しかし、子どもによっては「笑顔を素直に受け取れない」「怒った顔を過度に恐れてしまう」といった違いが見られます。