一連のフジテレビ出演の最後は、2011年5月17日のFNNスーパーニュース(16:53〜19:00)だった。

安藤さんがメインキャスターで、コメント側には私と木村太郎さん(キム爺)がいた。

その日の原発関連話題は、余震によって燃料貯蔵プールから外にピチャピチャっと水が漏れた———安全性に問題ないのか?だった。私はその程度は微量の放射能しか含んでいないので問題ないと断じた。すると、間髪置かずに木村氏が、

「澤田さんはこれまでも安全だ、問題ないと言ってきたが、現実はさにあらず。多くの人が避難し、関連死があり、故郷は放射能で汚染され人々は帰還できない・・・。全然違うじゃないか・・・」

というようなことを言い始めた。

私は内心『おっ!?どうしたんだキム爺。さっきまでニヤニヤしていたのに、いきなり切込隊長のようになりやがって』と思って、抗弁しようとしたが聞く耳はなし。

すぐに判じたが、要するに〝You are fired!(お前はもうお払い箱だ!)〟ということだ。局の上の方の編成方針にしたがって、キム爺が切り込み役をやらされたんだろうなあぁと。

私は誇り高きキム爺を案じた。この人もNHKを全うできずに、業界内アマクダリのごとき身のやつし方をして禄を食む一介のコメンテーターに過ぎないのか——と。

トカゲの尻尾になることなく、いつまでもかくしゃくとしてTV画面に鎮座し続けられんことを祈る。

さて、その筋から後日伝わってきた話だが、私は当時相変わらず視聴率が取れていたので、局としてはそのまま使い続けていたかったらしい。朝とか午後から夕方は主婦層がチャンネルを握っているので。

ところが、私は反原発・脱原発からは目の敵にされていたので、彼らはなんとかしてあのマヌケな原発安全・推進派のサワダをTV画面から消さねばならないと。そのことは別日別TVのたけしのTVタックルで、共産党の小池晃と出所不明の物理学者を名乗るガクシャと〝ガチ対決〟を組まれたことからも明らかである。