その主な理由は、クロップ前監督とスロット監督の戦術の違いが挙げられるだろう。クロップ前監督は「ゲーゲンプレス」と呼ばれる高い位置でのプレッシングで相手ボールを即時奪回を重視し、素早い攻守の切り替えと縦への速攻を特徴としていた。その中で遠藤のボール奪取能力やデュエルの強さが重宝されたのは言うまでもないだろう。
一方でスロット監督はボールポゼッションを重視し、より長くボールを保持することで試合を支配するスタイルを採用しており、中盤の選手には前への突進力やパスセンス、攻撃的な能力が高く要求されている。
しかし、遠藤は32歳という年齢的にも、キャリアのこの段階でプレースタイルを変える必要性は難しいことから、スロット監督下のリバプールに留まる限りは現状の役割を受け入れて、いつか必ず訪れるであろう大舞台でのチャンスを待つのが賢明な判断だろう。

冨安健洋(アーセナル)
もし、DF冨安健洋が怪我をしていなかったら、間違いなくアーセナルで今シーズンの主役になっていたのではないかと思わされる。プロの世界に“たられば”は禁物だが、彼の高い技術とサッカーIQを踏まえた実力を考えれば当然誰もが思うことではないだろうか。
冨安は2023年に右ひざの手術を受け、長期離脱を余儀なくされた。復活が期待された2024/25シーズンも開幕前に右ひざを再び負傷。プレミアリーグ第7節サウサンプトン戦(3-1)でシーズン初出場を果たしたが、わずか6分間の出場にとどまり、その後再び離脱を強いられた。2025年2月には右ひざの再手術を受けたことを自身のインスタグラムで報告し、現在は復帰に向けてリハビリを進めている。
アーセナルは声明の中で、冨安の現在のリハビリプログラムが「今年の終わり頃に完了する見込み」と発表しており、次の出場までに最後の試合から12か月以上の期間が空く可能性がある。