ただ、2020年に発表された論文によると、抽出温度の違いは味のプロファイルに大きな影響を与えないと報告されており、最適な温度範囲にこだわるよりも、豆の挽き方や抽出時間にこだわった方が、究極の一杯に近づける可能性が高そうです。
では、最適な抽出時間はどのくらいなのでしょうか?
抽出時間は短すぎると酸味が強く、長すぎると雑味が増えてしまいます。
エスプレッソなら25〜30秒、ドリップなら3〜4分が理想的な時間とされています。
どんな豆を使うかによっても最適な時間は変わるので、試しながら自分の好みを見つけるのが楽しいポイントでもあります。
こうした条件は意外と多くの研究者が、様々な角度から研究していて、その条件を報告しています。では科学的に最高なコーヒーの淹れ方を具体的に見てみましょう。
科学者が推奨する「究極の淹れ方」
2020年にアメリカのオレゴン大学や英国のバース大学の研究者たちが、コーヒーの抽出に関する研究を行い、科学的に最適な淹れ方を導き出しました。
まず、豆の鮮度が鍵になります。

焙煎したての豆はガスを多く含み、風味が安定しません。
焙煎から1週間ほど経った豆が、最も美味しくコーヒーを淹れられるタイミングなのです。
そのため豆を買う際、自家焙煎しているコーヒーショップを利用すると、焙煎したての豆は袋を少し開けてしばらく空気に触れさせるようにアドバイスされたりします。
さらに、豆の種類によって味の特徴も変わります。
浅煎りの豆はフルーティーな酸味が楽しめ、深煎りの豆はコクと苦味が引き立ちます。
あなたの好みに合う豆を選び、できるだけ飲む直前に挽くことで、酸化を防ぎ最高の香りを引き出せます。
水の質も重要です。コーヒーの98%は使用された水で構成されることになるため、どんな水を使うかで風味が大きく変わります。
軟水を使うと、まろやかでクリアな味わいに仕上がります。