3. 「マヤ・ブルー」の本当の意味とは?

 マヤ人は、極めて耐久性の高い青色顔料「マヤ・ブルー」を開発した。この顔料は極端な高温や湿度にさらされても色褪せることがなく、壁画や陶器、儀式用の遺物などに使用されていた。マヤ・ブルーは、藍(インディゴ)とパリゴルスカイトと呼ばれる鉱物の組み合わせによって作られていることが科学的に解明されている。

いまだ専門家を悩ませる“マヤ文明の5つの謎”
(画像=マヤブルーを背景に描かれた戦士の絵画 画像は「Wikipedia」より,『TOCANA』より 引用)

 しかし、この顔料が持つ文化的・象徴的な意味については議論が続いている。特に、チチェン・イッツァの聖なる泉(セノーテ)から発見された人骨にマヤ・ブルーが塗られていたことから、この顔料が儀式や生贄の供物と関連していた可能性が指摘されている。一部の研究者は、神々や死後の世界への捧げものとして使われたと考えているが、その詳細な意図については不明のままである。