また「賢者タイム」はプロラクチンの急激な上昇によって起こると考えられているため、これを抑制することができれば、ある程度この男性のような状態を再現できるかもしれません。
研究者たちは、射精後に性的刺激を継続することでプロラクチンの分泌を抑えられる可能性を指摘しています。
一部の研究は、オーガズムを繰り返し経験することでプロラクチンの上昇が緩やかになると報告しています。
ただし、過剰な刺激が逆に神経系の疲労や興奮の鈍化を引き起こす可能性もあり、特に個人差が大きいとされています。
そのためこの問題については科学的な裏付けがまだ十分ではなく、まだまだ未解明の分野ということになります。
専門家によるさらなる研究に期待しましょう。
「賢者タイム」は生物に必要なもの
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この研究は、俗に言う「賢者タイム(射精後不応期)」が絶対的なものではなく、一部の男性ではその影響をほとんど受けないことを示唆しています。
とはいえ射精後に訪れる「賢者タイム」は、単なる倦怠感ではなく、生物にとっては必要なものだと考えられています。
オーガズムという激しい生理的ピークの後、男性の体は一時的に性的興奮を抑え、回復モードに入ります。このとき、脳内ではプロラクチンというホルモンが分泌され、性的欲求を鎮めながら深いリラックスをもたらします。
その結果、心身が回復し、次の交尾に備えることができるのです。
また、連続して射精を繰り返すと、精子の質が低下することが知られています。不応期があることで、精液が再び濃縮され、より健康な精子を作る時間が確保されます。この仕組みは進化の過程で培われ、無駄な交尾を防ぎながら、次の機会をより確実なものにする働きをしてきたのです。
さらに、射精後に性的興奮が低下することで、男性は狩猟や外敵からの防御といった生存に関わる行動へ意識を向けやすくなります。もし不応期がなかったとしたら、性欲に振り回され続け、命の危険にさらされる場面もあったかもしれません。