福岡県南西部に位置する柳川(やながわ)は、市内に930kmの水路が張り巡らされている水郷です。
人々の生活に密接している美しい水辺の風景が魅力で、福岡市内の繁華街から1時間程度で遊びに行けます。
今回は、柳川を徒歩で観光をする約5時間半のモデルコースを考え、実際に巡ってみました。柳川名物の川下りから日帰り入浴できる天然温泉、老舗のうなぎ料理店、お土産店まで、柳川観光をたっぷり満喫できるコースです。
このモデルコースを参考に、風情あふれる柳川で癒しの時間を味わってください。
1. 西鉄柳川駅で下車(9:50~)
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旅のスタート地点は、西鉄柳川駅です。
西鉄福岡(天神)駅から西鉄大牟田線に乗車して、約50分で辿り着きます。
西鉄福岡駅は、JR博多駅(新幹線の到着駅)や福岡空港から地下鉄1本でアクセスできるため、複雑な乗り換えをせずに柳川に向かえます。
駅前にはバス停やタクシー乗り場もありますが、今回は徒歩で柳川を満喫していきましょう!
2. 川下りで柳川の風情を味わう(10:00~11:20)
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柳川に来たらまず体験したいのが、川下り(お堀めぐり)です。
川下りを実施している会社は7社あります(2024年11月現在)。筆者は、柳川の川下り観光に最も古くから携わっている柳川観光開発の川下りに参加しました。
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<橋の向こうに覗く水路とどんこ舟たちが美しい>
柳川観光開発の乗船場までは、西鉄柳川駅から歩いて約5分。乗船場の目印は、三橋神社の鳥居近くにある風情溢れる太鼓橋です。
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<柳川観光開発の川下り乗船場(受付)>
川下りは毎日実施されていて、毎朝9時40分から30分ごとに舟が出ています。乗船の受付は、出発時刻10分前までに済ませておきましょう。
川下りのコースは4.5km、運航時間は約60分間。お手洗いなどの準備を済ませたらついに出航です。
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<船頭の堤さんは船頭歴33年の大ベテラン>
どんこ舟にエンジンは積まれおらず、川を下るための動力は川の流れと船頭さんの操縦技術のみ。船頭さんが手に持っている長い竹(竿)で、舟の向きを調整しながら川を下ります。
筆者が訪れた日は、前日の雨の影響で水位が少し高めでしたが、船頭さんは見事な手捌きで舟をコントロールしていました。
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<美しい枝垂れ柳が連なる風景に目を奪われるお客さんたち>
川下りでは水路にかかる大小11の橋を潜り抜けながら、ゴール(立花御花邸前)を目指します。
船頭さんの語らう柳川の歴史・発展を支えた人々・地元の産業などについてのお話をお供に、街の景色を楽しむ贅沢な時間です。
川下りのお客さんはインバウンドの割合が多く、8割が海外の方の日もあるそう。筆者が乗った舟には、韓国・台湾・シンガポールからの旅行者さんがいらっしゃいました。
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<柳川城堀水門:城の守りを固めるため水路の幅は一気に狭くなる>
水路は堀割(ほりわり)と呼ばれ、お城を守るために整備されました。
柳川城堀水門は柳川城に入城するための唯一の水門です。敵の侵入時は水門を閉鎖して堤防を壊すことで、周囲を水浸しにして敵を返り討ちにしていました。
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低い橋を潜り抜けるときは、お客さんたちは船頭さんの号令に従い一斉に頭を下げます。
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目の前に迫り来る橋は大迫力!
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<船頭さんも身を低く屈めながら船をコントロールする>
柳川の水路は、洗濯や農業用水としての活用だけでなく、商業・生産業・人や物を運ぶ交通手段などさまざまな場面で地元の人たちの生活を支えました。
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<船頭さんおすすめの写真スポット>
水路の傍には今でもたくさんの民家が立ち並んでいます。
船頭さんの朗々とした語らいに耳を傾けながら地元の方の生活を眺めていると、柳川が積み重ねてきた歴史を強く感じます。
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<写真左:60分の船旅を終え船頭さんに感動を伝えるお客さん>
60分に及ぶ船旅はついに終わりを迎え、旅のゴール地点(柳川藩主立花邸御花前の水門)に到着。
お客さんたちは、船頭さんに旅の感想を交えつつお礼を伝えながら舟を降りていきます。
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<柳川藩主立花邸御花前の水門(写真AC)>
筆者は川下り初体験だったので、川下りの時間が60分って長いのでは?と思っていましたが出航してみるとあっという間でした。
川下りという非日常の体験の中で、柳川の人たちの暮らしが垣間見える不思議な感覚をぜひ体験してください。
柳川観光開発株式会社(川下り)
- 住所:〒832-0826 福岡県柳川市三橋町高畑329
- 電話:0944-72-6177
- 受付時間:9:30〜14:00
- 定休日:なし(天候によって運休の可能性あり)
- アクセス:西鉄柳川駅から徒歩約5分
- 公式サイト:柳川の川下りなら、柳川観光開発株式会社