ブンデスリーガの開幕は8月23日。第15節の12月22日を最後にウインターブレークに入り、1月10日に再開。最終節は5月17日という日程だ。チーム数は18なので、リーグ戦は全34試合である。

一方、JリーグはJ1からJ3まで20チームで統一されており、リーグ戦は全38試合となる。そこに代表ウィークなどが入るとどうしても平日ナイターでリーグ戦やカップ戦を消化する必要が生じ、過密日程や観客動員への悪影響は避けられない。秋春制の弊害は雪国クラブだけではなくJ全クラブに生じることになる。

ブンデスリーガと同じ3週間程度のウインターブレークでは問題が解決されることはない。雪国クラブはピッチでの練習ができず、アウェイ連戦などといった不公平な日程となることは必至だ。試合を開催できたとしても、極寒の季節では観客動員数が減少するのは間違いないだろう。今冬のように、あまりの豪雪によって気象庁から不要不急の外出を控えるようにアナウンスされている状況ならばなおさらだ。

極寒期に雪国クラブが自クラブのグラウンドで練習できないのは、リーグ戦の公平性の点でも問題がある。これは試合をアウェイ戦にすれば済む問題ではない。Jリーグ側が雪国のJクラブに全天候型の練習場を提供すれば解決するように思えるが、現実的ではない。それは、北海道コンサドーレ札幌の社長を長く務めたJリーグチェアマン野々村芳和氏なら理解しているようにも思えるのだが…。

Jリーグは秋春制移行の際、8月中旬の開幕を設定している。しかし「沸騰化」という言葉も生まれたように、日本のこの季節はまだまだ猛暑の真っ只中だ。「秋春制なら猛暑下での試合を避けられる」という主張は霞み、子どもたちの夏休み期間の試合が減ることで、興行的にもマイナスだろう。

とうほう・みんなのスタジアム 写真:Getty Images

応援する側にもデメリット