ユーザーの期待に背中を押され、実装に

――特定のキーワード入力時に警告を表示するという仕組みは、非常にユニークですよね。注意喚起機能を実装されたきっかけをお聞かせいただけますでしょうか?

古谷氏:

「若者を狙った闇バイト被害の防止を目的に、今回の機能改善を行いました。この取り組みのきっかけは、大学生が闇バイトに関与し逮捕された事件がメディアで大きく取り上げられたことにあります。また、SNS上で『文字入力の段階で注意喚起ができないのか』という声が見受けられたことや、『Simejiならやってくれそう』というユーザーからの期待の声も背中を押す要因となりました。これらの意見を受け、実装に踏み切りました。」

――ユーザーから「Simejiならやってくれそう」という期待の声があったのですね。こうした期待に応える形で実装された注意喚起機能ですが、開発の段階で苦労した点や工夫したポイントなどはありますか?

古谷氏:

「Simejiでは、以前から入力文字への注意喚起機能を提供していましたが、闇バイト問題を受け、検索段階で注意喚起できるよう機能を調整しました。特に重要視したのはスピードです。危険な検索をしている人々への対応は1分1秒を争うと判断し、迅速に開発を進めました。社会問題に対して即時に対応することで、ユーザーの安全を守り、安心して利用できる環境の提供を目指しました。

 また、『闇バイト』などを知っている人が入力するワードでは意味がないため、どういったワードが良いかSNSの声を拾いながら選定したことが工夫した点です。ただし、この機能で完全に防げるとは思っておりませんので、今後もどのようなアプローチをすればこのような問題を未然に防げるか探っていきたいと思っております。」

――迅速な対応を特に重要視されたというお話、皆さんの社会問題への姿勢がよく伝わってきます。また、SNSの声を反映させたという点も、ユーザーのリアルなニーズに応える工夫として非常に印象的ですね。

古谷氏:

「Simejiはユーザーと一緒により良い機能改善を行い、社会の問題に対しても向き合いたいと思っておりますので、今回の注意喚起機能についても、そのほかにも注意するべきキーワードがあれば教えていただければと思います。」

闇バイト被害防止へ、Simejiが注意喚起機能をリリース。ユーザーニーズに寄り添うキーボードアプリの未来像とは?
(画像=注意喚起するキーワードを募集した公式SNSでのポスト、『Business Journal』より 引用)