選手が高校や大学から直接、欧州クラブと契約するケースが増えてきた今、貰えるものは貰い、次世代育成のための資金とするという好サイクルが生じてくることを期待したいところだ。
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日本国内の育成クラブに支払われる制度も
日本国内にも、育成クラブに支払われるJFAが規定したローカルルールが存在する。「トレーニング費用制度」と称した制度で、ある選手がJ1クラブ入りした際、大学に120万円、高校(ユース)に90万円、中学校(ジュニアユース)に30万円、小学校に10万円の支払い義務が生じる。
このように育成クラブは、プロ選手を輩出することで収入を得ることができ、そのお金をさらに投資に回すことができる。最近では有力大学から一気に何人もがJクラブ入りするケースも目立つ。大学もその分の連帯貢献金が入り、さらなる育成のレベルアップに使うという好循環が出来つつある。
高校においても、熊本県立大津高校や市立船橋高校など、強豪の公立校も存在する。「公立高校がプロサッカー選手を育てて金儲け」などと懐疑の声もあるだろうが、気にする必要などない。育成に掛けた有形無形のリソースに対する見返りをしっかりと受け取り、次なるプロ選手を育てるサイクルを一般化させるべきである。この国が育成大国となれば、JFAが目標とする「2050年までにW杯優勝」にも一歩近付くことができるのではないだろうか。