メディアや野党、あるいは抽象的な脅威であれ、物理的に示されることで“悪”としてリアルに感じやすくなるのです。

怒りや不安などの負の感情を刺激し、結束を高める手段として効果的ですが、過度に利用すれば社会を分断する危険性があります。

②大きく広げる外向き指差しで「味方」を包み込む

自分が演説台に立ち、左右に大きく腕を振りつつ「あなたたち」「みんな」と呼びかけることで、聴衆は自分たちが“味方陣営”に属していると感じるようになります。

手の動きが大きいほど「大勢を巻き込んでいる」印象を与え、一体感が増幅されます。

これはトランプ氏の得意技の一つですが、使いすぎると“馴れ馴れしさ”を嫌う人々から反発を招く可能性があるので注意が必要です。

③自分を示す内向き指差しで「主役」を印象づける

胸を指して「自分が責任者だ」と強調する

「私はやる」「私だけができる」といった言葉を発する際に、自分の胸や心臓付近を指差す・叩く動作を加えると、説得力と共感度が飛躍的に高まります。

聴衆は話者の“自己確信”や“真摯さ”を強く感じ取り、「この人になら任せてもいいかも」と思いやすくなります。

また一度きりではなく、繰り返し自分を指す・胸を叩く動作を入れると、聴衆の記憶に深く刷り込まれます。

政策や公約など“実現すべき約束”を強調するときに有用ですが、濫用すると「大げさ」「自己陶酔」といった負の印象につながる場合もあるため、バランスが肝要です。

④上向きの“矢印”で抽象的な希望や大きな展望を語る

高い場所を示す仕草で“将来性”を演出

声のトーンを少し上げつつ、指を上向きに伸ばしながら「未来」「成功」「偉大な国を取り戻す」などの言葉を発すると、聴衆はそれを“上昇”や“前進”といったポジティブなイメージと結びつけやすくなります。

頭よりも高い位置に手をかざすことで、発言のスケールや志の高さを強調できます。

抽象的な概念を明確にする“シンボル操作”