メラニア氏がジョン・F・ケネディ国際空港に降り立ったのは1996年8月27日だった。ザンポリ氏と同じユニオンスクエアのアパートに引っ越し、新たな挑戦を始めた。自著では「ビザを確保した後、私のプロ意識と時間厳守が顧客の支持を獲得し、バーグドルフ・グッドマンやニーマン・マーカスといった一流デパートの仕事や『フィットネス』、『グラマー』などの雑誌の撮影につながった」と語り、「業界で名を馳せた」と躍進を振り返っている。

渡米から2年後の1998年、トランプ氏とザンポリ氏主催のパーティーで初めて出会った。メラニア氏は当時28歳。50歳を過ぎていたトランプ氏は2番目の妻マーラ・メイプルズ氏と離婚協議を進めていた。二人は時間をかけて親交を温め2004年に婚約するが、年の差カップルは当時ゴシップ誌に金目当てとこき下ろされた。

2016年の選挙期間中にヌード写真が出回りスキャンダルへと発展したが、このうちの一部は2000年1月に英国版GQが撮影し3月に発売されたものだった。トランプ氏のボーイング727機内で裸でじゅうたんに寝そべったり機体の外で下着で拳銃を構える姿は、著名なフォトグラファー、アントワーヌ・ヴェルグラス氏によって撮影された。

選挙期間に味わったヌード写真を含む批判の数々がメラニア氏のメディアへの態度を一変させた。「搾取と欺瞞に直面して、私はもう一つの厳しい教訓を学ばなければならなかった。メディアや人々は、自らの利益と名声のために他人を搾取するのだ」、「このキャンペンの一年が将来のメディアとの関係の方向性を決定づけることになった。彼らは私を決して公平に扱わない」とにじみ出る怒りを本にしたためた。

トランプ氏との交際がキャリアを飛躍

自ら「業界で名を馳せた」と主張するメラニア氏だが、その活躍はトランプ氏あってのことだとする指摘もある。

メラニア氏がニューヨークに移り住んだ当時ルームメイトだったというフォトグラファーのマシュー・アタニアン氏は、20代後半に入りモデルとして「時間切れ」に差し掛かっていたメラニア氏は、2流3流の仕事しか得ていなかったと主張している。