現代の鳥には、恐竜の名残があります。足にウロコが生えているだけではなく、内臓にもあります。

鳥には歯がなく、丸のみした食べ物を「砂嚢(さのう)」ですり潰してから消化しています。これは焼き鳥でいえば「スナギモ」です。オルニトミムスという、歯がなく嘴を持った恐竜の化石からは砂嚢があったと思われるたくさんの小石が見つかっています。

もうひとつは「気嚢(きのう)」です。これは呼吸のための器官で、鳥は肺以外にも恐竜から気嚢を受け継いでおり、空気中の酸素をより効率よく取り込むことができるのです。

鳥は恐竜から受け継いだ機能を持っている
鳥は恐竜から受け継いだ機能を持っている / Credit: Wikimedia Commons/ナゾロジー編

空を飛ぶために羽ばたき続けるのには大きなエネルギーが必要です。そのため多くの酸素を取り込む必要があるのですが、気嚢があるがゆえにそれが可能になっていると言っていいでしょう。

世界中で、自力で一番高く飛ぶ鳥として知られるのはインドガンで、高度6000m以上を上昇気流などは利用せず、自分の羽ばたきだけで飛んでヒマラヤ山脈を超えていきます。

かわいらしいルックスだが自身の羽ばたきだけでヒマラヤ越えをする
かわいらしいルックスだが自身の羽ばたきだけでヒマラヤ越えをする / Credit: Wikimedia Commons

同じくヒマラヤ超えをする鳥にはアネハヅルも知られています。いずれも全身へ酸素を効率よく行きわたらせる仕組みを持ってはいても、基本は気嚢で薄い空気の中から効率よく酸素を取り込んでいます。

アネハヅルもまたヒマラヤ越えをするパワフルな鳥
アネハヅルもまたヒマラヤ越えをするパワフルな鳥 / Credit: Wikimedia Commons

丹波篠山で見つかったふわふわな毛玉ちゃんは羽毛恐竜でした。羽毛恐竜が鳥に進化するまでには長い期間がかかりましたが、羽毛恐竜は間違いなく鳥の祖先です。鳥は飛ぶために尾を短くしましたが、砂嚢や気嚢は恐竜から受け継ぎました。

焼き鳥屋さんでぼんじりやスナギモを食べる時、たまに羽毛恐竜のことも思い出してみてくださいね。

焼き鳥に垣間見える恐竜の影
焼き鳥に垣間見える恐竜の影 / Credit: Wikimedia Commons