目的は高齢者の居場所づくり
NPO法人とメイド喫茶…連想しにくいが、高齢者の居場所づくりを目的として冥土喫茶を始めたという。キッズバレイとしては、これまでに子どもやシングルマザー向けの居場所づくりを行ってきた。
「桐生市は市街地の過疎化が進み、高齢者が入りやすい喫茶店やファミレスが少なくなりました。現状をふまえ、高齢者が気軽に入れる場所を作りたいと思い、いろいろと案を出す中で『冥土喫茶』を思いついたのです。せっかくなので面白さも取り入れようと思いました」(同)
桐生市の人口は1975年をピークに減少が続く。他の地方都市と同様に自動車化が進み、郊外型モールが人を集める一方、駅前の活気は年々寂しくなっている。高齢者が徒歩で行ける施設は確かに少ない印象だ。冥土喫茶に来店する高齢者からは、「癒された」「コミュニケーションを取れて楽しい」などの意見があったという。そして冥土喫茶がメディアで掲載されて以降、若い客も来るようになった。
「4時間の営業時間帯で40人ほどが来店します。近隣から徒歩で来る高齢者が多いのですが、話題になって以降、遠方から若い方も来るようになりました。北海道、大阪から来た方もいます。実際にメイド喫茶やコンカフェ(コンセプトカフェ)で働いている人が『勉強のために』来たこともあります」(同)
ちなみに似たような例では、2019年に鎌倉市の企業が3日間限定で、60歳以上のメイドが接客する喫茶店を運営した事例がある。