しかし残念ながら少なからず主力の移籍は発生している。守備陣では、昨季正GKを務めたGK立川小太郎と、FC東京から期限付きで加入し35試合に出場したDF大森理生の2名がJ2昇格を果たしたFC今治へ移籍。守備の要が活躍の場を他クラブへ移した。また、中盤では高い技術で攻撃にアクセントをつけていたMF西川潤が、前線では10ゴールを挙げたFW有馬幸太郎がそれぞれ移籍している。一方の新戦力では、昨季同様他クラブから期限付きで加わる若手が多く未知数な要素も多いのが現状だ。

元々が期限付き加入であった選手もいるとはいえ、ライバルとなる同カテゴリーのクラブへ主力が移籍してしまい、かつ十分な補強が叶わなかったことから戦力ダウンが心配なクラブ6位とした。


レノファ山口 写真:Getty Images

5位:レノファ山口

主なOUT選手

  • GK関憲太郎(引退)
  • DF新保海鈴(横浜FCへ完全移籍)
  • DF前貴之(ジェフユナイテッド千葉へ完全移籍)
  • DFヘナン(鹿児島ユナイテッドへ完全移籍)
  • MF相田勇樹(ジュビロ磐田へ完全移籍)
  • MF吉岡雅和(ブラウブリッツ秋田へ完全移籍)
  • FW若月大和(アルビレックス新潟へ完全移籍)

主なIN選手

  • DF岡庭愁人(FC東京より期限付き移籍)
  • DF亀川諒史(アビスパ福岡より完全移籍)
  • MF成岡輝瑠(清水エスパルスより完全移籍)
  • FW有田稜(モンテディオ山形より期限付き移籍)
  • FW古川大悟(FC大阪より完全移籍)

2023シーズンの20位から一転、昨季は志垣良新監督のもとシーズン終盤までJ1昇格プレーオフ圏争いを演じるなど躍進したレノファ山口。結果的にプレーオフ進出とはならなかったものの、大いに手ごたえを掴んだシーズンだったことは間違いない。

しかし、ダークホースとして存在感を見せつけた反動からか今冬は戦力を多く失うこととなっている。特に今季に向けて懸念されるのが守備陣の状況。守護神のGK関憲太郎が引退し、さらにセンターバックではDFヘナンが移籍。加えてサイドでも、昨冬に武者修行から帰還したDF新保海鈴と守備的ポジションを複数こなせるDF前貴之が流出と今季はほぼ1からの再構築が求められる陣容となった。また、中盤から前のポジションでもMF吉岡雅和やMF相田勇樹、FW若月大和など主軸を担った選手がチームを離れている。もちろん、彼らの抜けた穴を埋めるべく補強も積極的に行われている。