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2026年までに予定されていたホンダと日産自動車(日産)の経営統合が破談となったことが、2月5日に一斉に報じられた。横浜F・マリノスは、1972年に創部した日産サッカー部を源流とするクラブであり、運営する横浜マリノス株式会社の親会社が日産となる。
経営統合が実現すれば自動車業界のパワーバランスが一変すると期待されていたが、ホンダ側から示されたのは対等合併ではなく、日産をホンダの子会社にする案。プライドを傷付けられた日産側が「子会社化は到底受け入れられない」と猛反発し、協議を打ち切ったという。“武士は食わねど高楊枝”といったところか。このニュースが流れると両社の株価が上昇するという皮肉な出来事もあったように、この合併話は当初から懐疑的な見方がなされていた。
ここでは、日産の経営状況による横浜FMへの影響と、考えられる解決案について検証する。
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2025シーズン横浜FMはスリム化?
1999年に提携先のルノーから送り込まれる形で日産社長に転身し、2001年には最高経営責任者(CEO)に就任、“コストキラー”と呼ばれ身を切る改革で経営を立て直したカルロス・ゴーン氏(2019年解任)は、横浜FMの人件費や広告費を半減させたものの、身売りには至らなかった。
ゴーン氏はフランスとブラジルとレバノンの三重国籍であるのだが、一説には幼少期をブラジルで過ごしたことで、サッカークラブを所有する意味を理解し、実業団(JSL)時代からの歴史に対しリスペストしていたからだとも言われている。しかしゴーン氏が日産を追われ日本からも逃亡した今、日産経営陣の中でクラブ所有にメリットを見い出す人物がいるのか、疑問が残る。
昨2024シーズンの横浜FMはJ1リーグで9位、天皇杯とルヴァンカップでは4強に進出したものの無冠に終わり、元イングランド代表コーチのスティーブ・ホーランド氏を新監督に迎え、新2025シーズンを迎えようとしている。