フジテレビは、中居正広氏と元社員の問題をめぐる報道を受け、1月17日に記者会見を開いたが、閉鎖的な形式が批判され、スポンサー離れが進んだ。23日、独立した第三者委員会の設置を公表し、27日には会長・社長が辞任を発表。しかし、週刊文春の報道が訂正されたことで事態が複雑化。フジ側の対応の不透明さが指摘され、第三者委員会の独立性にも疑問が生じている。今後の調査結果次第ではさらなる混迷が予想される。
フジテレビは、2023年6月に番組出演タレントの中居正広氏と同社社員だった女性との間で生じた事案に関連する報道を受けて、1月17日に、港浩一社長(当時)ら経営陣が最初の記者会見(以下、「17日会見」)を開いたものの、テレビカメラを入れず、会見参加者も質問者も限定する、会見時間も制限するという、あまりにクローズなものだったこと、設置する調査委員会が、第三者委員会であるか否かも不明確だったことが猛烈な批判を受け、会見後、大手企業のスポンサーの間にフジテレビでの広告を見合わせる動きが拡がった。

フジテレビジョンHPより
そこで、23日に、事実関係の調査・事後対応やグループガバナンスの有効性を、客観的かつ独立した立場から調査・検証するための第三者委員会の設置を公表した。
この委員会については、日本弁護士連合会が策定した「企業等不祥事における第三者委員会ガイドライン」(以下、「日弁連ガイドライン」)に準拠するもので、委員長の竹内朗弁護士ら3名の委員を選任し、調査報告書を3月末に会社に提出し、その後速やかに公表する予定であり、調査委嘱事項は、以下のとおりとされている。
1) 本事案への当社及びフジ・メディア・ホールディングスの関わり 2) 本事案と類似する事案の有無 3) 当社が本事案を認識してから現在までの当社及びフジ・メディア・ホールディングスの事後対応 4) 当社及びフジ・メディア・ホールディングスの内部統制・グループガバナンス・人権への取組み 5) 判明した問題に関する原因分析、再発防止に向けた提言 6)その他第三者委員会が必要と認めた事項
そして、27日に、親会社のフジ・メディアホールディングズ(以下、「フジHD」)の会長・社長も含めた記者会見(以下、「27日会見」)を開き、「取引先、視聴者など皆様方に多大なるご心配とご迷惑をおかけした」として謝罪して嘉納修治会長と港浩一社長が引責辞任することを明らかにした。