昨季右SBとして清水のJ1昇格に大きく貢献したDF原輝綺が名古屋グランパスに移籍し、その穴埋め補強がなかったことでサポーターをやきもきさせていたが、高木は粗削りながらも積極的なオーバーラップや正確なクロスを披露し、サガン鳥栖から期限付き移籍してきたMF中原輝とのコンビネーションも良く、新味を見せた。
清水におけるCBからSBへのコンバートといえば、ユース育ちのDF立田悠悟が入団2年目の2018シーズン、右SBとして開幕スタメンを勝ち取り、翌週の第2節ヴィッセル神戸戦でプロ初ゴールまで決めてみせた。その活躍ぶりによって日本代表入りも果たしている。
清水のJ2降格もあって、立田は2023シーズンに柏レイソルに移籍したものの、PKに繋がるミスが多く、サポーターからの信頼が得られぬまま昨季限りで退団。今季は初のJ1に挑むファジアーノ岡山に移籍し、捲土重来を期している。岡山からもその経験とポリバレントさが期待されている。

アビスパ福岡の総シャッフル
また今季、コンバートというより“総シャッフル”といっても過言ではないレギュラー争いを繰り広げているのが、金明輝新監督を迎えたアビスパ福岡だ。
金監督は、下部組織育ちで主にトップ下が定位置だったMF北島祐二のボランチへのコンバートに踏み切った。金監督がサガン鳥栖U-18の監督だった際、対戦相手として北島を見ていたことで、「彼はボールをたくさん触れるポジションで生きる選手。攻撃に転じた時のアイデアがある」と評した。
プロ8年目を迎える北島も、シーズンを通してレギュラーポジションを掴んだ経験がないことで、このチャンスを逃すまいと、昨季のレギュラーだったMF松岡大起、MF重見柾斗に加え、V・ファーレン長崎から加入したMF秋野央樹らの中に割って入ろうと、必死に取り組んでいる。