北島祐二(左)知念慶(中)高木践(右)写真:Getty Images

2月14日に開幕する2025シーズンの明治安田J1リーグ。大型補強を敢行したチーム、新監督を迎え新たなスタイルを模索するチームなど様々なアプローチで優勝を目指す。

移籍によって欠けたポジションについても、同じタイプの選手を獲得するのか、昨季は控えだった選手を登用するか、強化担当や監督によって考え方は異なるだろう。中には、いずれとも異なる「他ポジションからのコンバート」で戦力を整えるケースもある。

時としてサッカー選手としてのキャリアにも影響してくるコンバート。それが明らかとなったのは、昨季センターフォワードからボランチにコンバートされ、2024Jリーグアウォーズでベストイレブンにまで選出された鹿島アントラーズMF知念慶の例だろう。

ここではコンバートにフォーカスし、それがチームに与える好影響や、選手のキャリアにも関わるケースを挙げ、その効用に触れていきたい。


高木践 写真:Getty Images

清水エスパルスでのコンバート

2月1日、キャンプの総仕上げとして行われた清水エスパルス対ジュビロ磐田のトレーニングマッチ。公式戦ではない上に、試合自体、雷雨の影響により後半途中で中止となってしまったが、静岡ダービーらしく、立ち上がりからインテンシティーが高い一戦となった(終了時点2-0で清水の勝利)。

その試合、清水のスターティングメンバーの右サイドバック(SB)には、大卒2年目のDF高木践の名前があった。阪南大学高校、阪南大では一貫してセンターバック(CB)としてプレーし、大学選抜にも選出されていた高木は、身長173センチでプロに入るとサイズ不足な面があり、2シーズン(2023シーズンは特別指定選手)合計でカップ戦も含めて18試合の出場にとどまっていた。

清水では不動の左SB山原玲音のバックアッパーとしてプレーすることはあった高木だが、この一戦で右SBとして先発したということは、彼が今後、本格的にこのポジションでプレーしていくことを意味しているのだろう。