米国は「世界の民主化」を掲げ、勘違いや間違いもあったが、多くの資金と米兵の命を犠牲にしてきた。しかしその努力は報われなかった。途上国には綺麗ごとと言える「民主主義」や「人権」よりも、目先の利益が重要であり、中国の台頭を抑えられなかった。

世界は米中の二極化に進み、米国の圧倒的な覇権は崩れつつある。この現実を前に、米国は「世界の警察」としての役割を縮小し、「まずは自国の利益を守る」という方向に大きく舵を切った。

では、日本はどうするのか?

石破首相が取るべき対応

石破首相は以下のような準備をしているが、各種の準備や議論をした結果、疲れ果てて「自然体で臨む」と発言したようだ。これは極めて危険な姿勢である。

結論を先に示し、分かりやすいチャートを用いた説明をすることが必須 日本が「トランプ株式会社」にどれだけ貢献しているかを具体的に示す

しかし、この手法はすでに安倍元首相が実施している。トランプは日本による米国への投資の実態は既に知っている。だからあまり効果がない。「日本は主体的に自らの方針をトランプに提示する。トランプ政権に言われたことを躱すのではない」という姿勢が今こそ求められている。

トランプ政権の防衛費要求と日本の立場

トランプ政権が日本に対し防衛費のGDP比3%を要求する可能性が高い。日本にとって2%でも難しい状況であり、3%はまず不可能だ。

岸田前首相は、国会の承認も得ずに、閣議決定だけで、バイデン大統領に防衛費2%増額を約束した。昔、安倍元総理がやはり国会無視で、集団的自衛権の一部容認を強行したことに似ている。あまり勉強もしないで騒ぐリベラルなメデイアや国民が猛反対するからだ。日本国民の多くは国防問題をいまだに真剣に考えていない。

当然ながら増税は反対。防衛費増額にも基本的に反対しながら、その必要性について議論することを避ける。だが「アメリカに言われたから」では通用しない時代に突入していることを認識しない。

軍事同盟の本質:「お互いに銃を持って守り合う覚悟」