ここでイライラ感のレベルってどうやって調べるんだと感じるかもしれませんが、これには個人の短期間のイライラ感を評価するために開発された心理測定ツール「Brief Irritability Test(BITe)」が利用されました。
このテストを行うことで、参加者の感じている怒りや欲求不満の程度を数値化し、ストレスや感情の起伏を測定することができるのです。
そのためBITeのスコアが高い人ほど、日頃イライラしているということになります。
すると、1日に「数回」ソーシャルメディアを利用する人は、利用しない人に比べてBITeスコアが平均1.43ポイント高く、「ほとんど一日中」利用する人では3.37ポイント高いことが分かりました。
特にX(旧Twitter)やTikTokの頻繁な利用者は、イライラ感のレベルがより高い傾向にあり、さらに頻繁に投稿を行うユーザーほど、イライラ感のスコアが高くなっていたのです。
なぜSNSは私たちをイライラさせるのか?
この研究では、ソーシャルメディアの頻繁な利用が直接的にイライラ感を引き起こしているのか、それとも元々イライラしやすい人がソーシャルメディアを頻繁に利用するのか、その因果関係は明らかにされていません。
ただ年齢との関連を調べたところ、若年層(18~34歳)でソーシャルメディアの利用が最も多く、それに伴いイライラ感も強いと分かりました。一方で、65歳以上の高齢者ではソーシャルメディアの利用頻度が低く、イライラ感も比較的低い傾向がありました。
この傾向を見ると、利用頻度がイライラ感に関連している可能性は高いと考えられます。
ではなぜSNSの利用が私たちをイライラサせるのでしょうか? それには次のような要因が考えられます。
1つ目の要因は、ネガティブな情報の過剰摂取です。ソーシャルメディア上にはニュース記事や意見の対立、誹謗中傷などのネガティブな情報があふれおり、これらを頻繁に目にすることで、心理的ストレスが増している。