あなたはソーシャルメディアを利用した後に、なぜか気分が悪くなったり、些細なことでイライラしたりした経験はありませんか?
近年、スマートフォンの普及により、Facebook、Instagram、X(旧Twitter)、TikTokといったソーシャルメディアを日常的に利用する人が増えています。
しかし、その便利さの裏には、私たちの精神的健康に及ぼす影響があることが指摘されています。
最新の研究では、ソーシャルメディアの頻繁な利用がイライラ感(Irritability)を増加させる可能性が示唆されています。
これまでの研究は主に抑うつ症状との関連性に注目していましたが、今回の研究は「イライラ感」に焦点を当てたというのが興味深い報告です。
本記事では、その研究結果と背景を解説し、私たちがどのようにSNSと向き合えばよいのかについて考えます。
この研究は、2025年1月にJAMA Network Openで発表されました。
目次
- あなたも感じたことがある? ソーシャルメディアが引き起こすイライラの正体
- なぜSNSは私たちをイライラさせるのか?
あなたも感じたことがある? ソーシャルメディアが引き起こすイライラの正体
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マサチューセッツ総合病院(Massachusetts General Hospital)とハーバード医科大学(Harvard Medical School)の研究チームは、アメリカの成人42,597人を対象に、ソーシャルメディアの利用頻度とイライラ感の関係を調査しました。
研究で分析されたのは、次のポイントです。
- ソーシャルメディアの利用頻度(1日に何回利用するか)
- どのプラットフォームをよく使用しているか(Facebook、Instagram、TikTok、Xなど)
- 過去2週間のイライラ感のレベル(Brief Irritability Test:BITe による測定)