(以下、区別が必要な箇所以外は教団名を旧統一教会とする)

どの宗教の信者なら出演できるのか

日本テレビや反カルトを掲げる人々に、あいつは統一教会の信者だから論考を読む価値なんて無いと言われては発言の機会が奪われてしまうので、私の菩提寺は浄土宗であると表明しておかなければならないかもしれない。こうして人々は踏み絵を強要されるようになる。

これからテレビ局がK-POPタレントや韓国映画の俳優だけでなく、プロダクションや制作関係者に宗門改を始めるのだろうし、国籍を問わずどの宗教の信者ならテレビに出演してよいのか彼らなりに決まり事を定めるのだろう。

私の浄土宗は許されるのか、他の宗教の信者を拉致監禁して強制棄教させてきたことを問題視されているキリスト教プロテスタントの一派はよいのか、何かと取り沙汰されているエホバの証人は、幸福の科学は、手かざしをする崇教眞光は、政治と強い結びつきがある創価学会は、ときりがない。

旧統一教会追及が激しかったとき、自民党の議員は教団と関係が濃く、野党議員たちは淡いと紀藤正樹弁護士が独自の解釈を語っていたが、これから始まる宗門改でも彼が同じような理屈で宗教を分類するかもしれない。当時はテレビも新聞も紀藤氏の濃淡論をすんなり受け入れたのだ。

鈴木エイト氏が日本テレビの『24時間テレビ 「愛は地球を救う」』に出演予定だったタレントグループを信者とほのめかしていたため、この人たちが出演を辞退せざるをなくなった出来事もあった。なおタレントのマネジメント会社は信者ではないと否定したが、未だネット上にはグループ名と顔写真を添えて信者と断定する情報が放置されたままになっている。こうした暴露や人権侵害に、日本テレビは正当性を与えたのだ。

既存宗教と分類されるもの以外を信仰しているアーティストやタレントは多く、高い評価を得ている人も少なくない。

アパートのチャイムをしつこく鳴らされ、根負けしてドアを開けると一世を風靡していた“あの”女性アーティストが立っていて宗教を布教されたことがあったと経験を語る中央線沿線の人々がいる。後に、この著名人が棄教していたとしても、非信者証明書などというものはないので信者のレッテルを貼られテレビ放送からパージされるかもしれない。あの人が、すべてを失うのだ。

筋が悪いマスコミのやり方