巻き上げた仕掛けを見ると道糸とハリスの結束部から切れていた。どうやら0.8号の糸ではヤツの引きと重さに耐えられないらしい。そこで針も糸も元の2号に戻しつつ、仕掛けを工夫してみることにした。

餌の中の針のない部分だけを狙って食べるなら餌の中を全て針にしてみれば釣れるんじゃない?というその場の思いつきで図のような仕掛けを試してみることにした。
エサだけ取られる
しばらくすると餌取りの小さいアタリの中に時々強いアタリが混じるようになった。間違いなくヤツだ。が、今までのようにいきなり大きくは引き込まない。どうやらこの変な仕掛けをかなり警戒しているようだ、さすがエリート。
それでも時々来る強めのアタリにタイミングを合わせるが、毎回しっかりと餌だけ取られてしまう、実に悔しい。それにしても隙間なく針が入っているのにどうやって餌だけ食っているんだろ?ヤツには手でも生えてるんじゃなかろうか。
犯人は誰だ?
ここで今までの状況からようやくヤツの正体を考えてみることにした。ターゲットを決めて釣り方を絞るのだ。実はここまで3時間もヤツと戦っている。もっと早く気付くべきである。
カワハギ?
ヤツは餌をとるのがうまい。また植物性より動物性の餌が好みのようで特にアサリに反応が良い。アサリ餌といえばカワハギだが、いきなり引き込む大きなアタリと糸が切られるほどの重さからは少々考えにくい。
シーバス?
次に気になるのは糸が切れた箇所。切れていたのは道糸とハリスの結束部だった。歯の鋭い魚がハリスを噛み切ったのではなく、引きの強さと自重で糸が引き千切られたのだ。ここらの海で強い引きと重さのある魚といえば最初に思いつくのはシーバスだが……。彼らアサリとか食いましたっけ??
目が良いサカナ
針のない箇所の餌を狙って食べたりと、目が良く警戒心が強い。針2個の変な仕掛けを試した時は目に見えて反応が変わった。ま、自分が魚でも警戒しそうなヤバい見た目の仕掛けではあるが……。