「何でもよく食べないと大きくなれませんよ」とお母さん目線で注意をしつつアサリに変更する。しばらくすると小物のあたりが出始めた。やはり野菜より肉好きらしい。20分が経過したが、あの大きく引き込むアタリはまだ無い。ヤツはアサリも嫌いなのだろうか、好き嫌いの多いやつだな。

再度大物のアタリ到来

「何でも食べないと……」と再びお母さん登場の瞬間、竿が大きく曲がった。

「来た!」素早く合わせるもまたまた空振り……。

「正体不明の大物が突然ヒット!」堤防小物釣り最中にヒットした大物の正体を執念で追ってみたエサを取られた(作図:TSURINEWSライター夏野)

仕掛けを見ると、ヤツは針のない箇所である餌の下半分だけを狙って食べていた。思った以上に賢い、もしかしたら有名大学を出てこの海に就職したエリート魚なのかもしれない。

くだらないことを思いながら次の手を考える。

針やエサ付け方を微調整

どうやらヤツは仕掛けと餌がよく見えているようだ。警戒心の強い魚に対しては糸を細く、針も小さいサイズに変更するのがセオリー。ついでに餌も小さくつけて一口で食わせてしまうことにした。

これなら口元に掛からなくても釣れる可能性は上がるだろう。飲み込まれても針外しで取れば良いし、万が一弱らせてしまったら持ち帰って晩御飯のおかずにすればいい。しかしこの作戦にも幾つか欠点がある。

欠点

欠点その1は『針も餌も小さいので餌取りたちが今まで以上に釣れてしまう』だ。ヤツが来る前に小魚が掛かりすぎてしまう。そこで離れたところに撒き餌を打ち小魚をそちらに寄せてから、その隙に仕掛けを沈めることにした。

ついに針掛かりするもバラシ

辛抱強く待つことさらに20分、またまた大きく竿が曲がった。「ヨシッ!」今度はしっかりと手応えを感じる。ついにヤツをかけたのだ。それにしても強い引きだ、元々柔らかい筏竿だが根元近くから曲がっている。

魚は下へ下へとどんどん仕掛けを引き込んでゆく。ドラグ調整と竿さばきでどうにかしのいでいたが、急に手応えが無くなった。作戦の欠点その2『細い糸は切られる可能性あり』である。

オリジナル仕掛けを自作