物価比較でビックマック指数というのがあります。各国のビックマックの値段を比べ、物価水準の物差しにするのですが、ある国のビックマックがいくら安いからと言って10個食べろと言われても困ります。ところが不動産の場合は持っているだけでよく、頃合いを見て売ればよいのです。つまり内外価格差のメリットを一番とりやすく儲けやすい投資なのです。
ではバブルつぶし対策です。
ひとつは外国人への不動産売買を規制することです。これは異例でもなんでもなく、例えばカナダでは外国人は不動産を購入できません。理由は価格高騰を招くからです。この外国人規制は一時的なもので今の法律は2023年1月1日から27年1月1日までの時限つきとなっていて、市場が沈静化すればそれを撤廃すればいいので運用のフレキシビリティを持たせています。仮に2026年でも住宅の需給がタイトならこの期限を延ばせばよいわけです。
次に空き家税を課すこと。投資家によっては空き家のままじっと持っていて1-2年後に新築同様の状態で売却する方がいます。私の経験値からは中華系の人にその傾向が強いと思います。これもカナダのバンクーバー市の例ですが、誰も住んでいない場合、空き家税が不動産評価額の3%かかります。ダウンタウンで眺めのあるコンドミニアムなら150万ドルは下らないので年間45000ドル、日本円で500万円も空き家税がかかるのです。
空き家税のそもそものコンセプトは不足する優良住宅を投資家が空室のままたくさん抱えていたり、不動産を複数持つ方への非有効利用に対するペナルティという発想です。この空き家税が導入されたら街のコンドミニアムに突然ライトが灯され、私も「へぇ、この建物に人が住んでいたのだねぇ」と驚きに近いものをあちらこちらで目にしました。最近では神戸市や京都市が空き家税の検討を始めるなどその動きは確実にあるので外国人に人気ある不動産地域ではこの動きは広がるかもしれません。