一方、社会的スキルが高い人は、人気を求めても、無計画にアイテムを買いすぎることは少ない傾向にあります。

社会的スキルがあるひとは、ゲーム内でのアイテムに頼らずに、人気を得ることができるのでしょう。

(※もしかしたら現実でもゲーム内でも人気に興味がないストイックな生き方をする人が最も能力が高くなるのかもしれません)

このような消費行動は、現実世界で高価なブランド品を買う「補償的消費」と似た現象と捉えられます。

たとえば、自己肯定感が低い人ほどブランド品を買って自分の価値を補おうとする現象があるように、オンラインゲームでも、他人との比較や競争がプレイヤーを衝動買いへと駆り立てているのです。

これは、ゲーム内通貨を使う場合でも、リアルマネーで課金する場合でも、他人から認められたいという基本的な欲求が背景にあるため、同じ傾向が見られると言えます。

実際、心理学の研究では「外部からの評価に頼りすぎると、本当に大切な自分の欲求や楽しみよりも、周りの評判を気にするようになる」と指摘されています。

例えば、社会的比較理論(Festinger, 1954)や自己決定理論(Deci & Ryan, 1985)では、他人と比べて不安を感じた時に、ブランド品や高いステータスの象徴を求める傾向があることが説明されています。

オンラインゲームの世界でも、そのシンボルが「レア装備」や「特別なアバター」として現れているのかもしれません。

では、私たちプレイヤーはどうすればこの衝動買いの輪から距離を置くことができるのでしょうか。

もし今度ゲーム内アイテムを買ったり課金するときには、一度立ち止まって、自分の本当の動機を考えてみるといいかもしれません。

例えば「この購入は本当にキャラクターを育てるためのものなのか?それとも、単に人気を得たい気持ちに買わされているのか?」と自問するだけでも、行動を変える助けになるでしょう。