「セール中の特別なアイテムを見つけて、ついゲーム内通貨を使ってしまった」「ずっと狙っていたレア武器が出たから、我慢できずに課金してしまった」――こんな経験、誰しも一度はあるのではないでしょうか。

たとえば、本当に必要ではない装飾品や見た目だけの装備に衝動的にお金を使ってしまい、その結果、キャラクターの強化や効率的な育成が後回しになってしまうことがあります。

最悪の場合、パーティーの倒れた仲間を蘇らせるための費用や、宿泊費すら足りなくなってゲームの進行に支障をきたすことも。

そして、現実のお金を使った「課金」が原因で、気がつけば生活費に影響を与え、後悔する人も少なくありません。

このような衝動買いは、オフラインゲームでは主に自分の満足感やゲーム内の効率アップを目指すために起こりやすいのですが、オンラインゲームでは「他のプレイヤーからどう見られるか」という視点が加わります。

実際、多くのオンラインゲームでは、装備やステータスを他のプレイヤーと見せ合ったり、ランキングで競い合ったりする仕組みが導入されており、これが「自分も人気者になりたい」といった気持ちを強めるのです。

トルコのカラビュク大学(KBU)で行われた最新の研究によると、この「人気を得たい」という欲求が、オンラインゲームにおける衝動買いを大きく後押ししていることが明らかになっています。

さらに、社会的スキルが低い人ほど、こうした人気欲求に駆られて無計画なアイテム購入や課金に走りやすいという結果も報告されています。

つまり、オンライン上で「認められたい」という気持ちが強くなると、つい後先考えずにお金を使ってしまうリスクが高まるというわけです。

本記事では、こうした研究結果をもとに、オンラインゲームにおける衝動買いの背景と、その背後にある心理的なメカニズムについて、分かりやすく探っていきます。

研究内容の詳細は『Computers in Human Behavior』にて発表されました。

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