この手法により、「競争心が人気への欲求を高め、その結果としてゲーム内の衝動買いが起こる」というプロセスや、社会的スキルがその関係をどのように調整するかを明らかにすることができました。
結果として、競争心そのものが直接衝動買いを増やすわけではなく、むしろ競争心が強いプレイヤーほど「人気を得たい」という気持ちが高まり、その人気欲求が衝動買いの主な動機になっていることが示されました。
さらに、社会的スキルが低い場合には、この「人気を得たい」という欲求がさらに強く働き、衝動買いにつながりやすいことも明らかになりました。
これは、対人スキルが低い人ほど現実の場面で承認や評価を得にくく、その代わりにオンラインでアイテムを購入してでも人気者になろうとする傾向が強まるからだと考えられます。
ゲーム内での衝動買いは「人気買い」でもあった
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本研究の結果からは、競争心や「みんなに認められたい」という気持ちが、ゲーム内での衝動買いに直接影響を与えていることが分かりました。
多くのプレイヤーは「キャラクターを強く、魅力的に育てたい」「このアイテムがあればもっと楽しくなる」といった前向きな理由を持ちながらも、実際は「他の人に注目されたい」「みんなに褒められたい」という心理が買い物の決め手になっている可能性があります。
研究者たちは、論文の中で「プレイヤーは、人気者になったり人気を保ったりするために、特定のゲーム内コンテンツを購入する動機がある可能性があり、この行動は人と上手に交流できる能力(社会的能力)のレベルによって違ってくる」と指摘しています。
つまり、オンライン上で人気になりたいという気持ちが強ければ、アイテムの購入や課金をしやすくなり、悲しいことに社会的スキルが低い人はその衝動を抑えるのが難しくなるということです。