史料批判を経て署名した教員は、それらのすべての場面で「私はトランスジェンダーで、女性だ」と主張する人を、一切の例外なく受け入れなければならない。オープンレターが実際には「いかなる史料か」をわかった上で、職名を掲げて本名でサインした以上、そうしないなら「嘘つき」であり、研究能力か人格かに欠陥がある。

ちなみに、能力と人格の双方に問題がある署名者もいる。それについては従前から指摘し、「歴史学者」の諸氏はどう感じるのかを問うてきた。

それでは末尾に、広い意味で歴史の研究者だと判明している、オープンレター署名者のリストを掲げておこう。氏名ないし肩書で「ぱっとわかる」例のみを拾ったので、おそらく実際には、署名した歴史の研究者は遥かに多い。

なぜなら、「呉座勇一と一緒に燃やさないでください!」と表明し自らの炎上を避けることが、2021年春の彼らの行動原理だったからだ。私は署名簿に名前があるので「燃やされずにすむ側です」とPRするはずだった駆込寺は、あにはからんや、むしろ焼かれるペスト患者たちのスラムであった。

彼らの卑小さが広めてしまった「とりあえず ”安全策” でキャンセル」な風潮は、学界やSNSを飛び越えて、この国の社会全体を巻き込みつつある。いま食い止めるためにこそ、戦犯たちの召喚と再吟味が必要だろう。

オープンレターは甦える: 予言されていたフジテレビ・キャンセル|Yonaha Jun
中居正広氏のスキャンダルに端を発するキャンセルが、止まらない。 率直に「なんで?」と感じた人が多いと思うが、笑福亭鶴瓶氏が、スシローのCMとNHK(BS)の放送をキャンセルされた。想像される理由は事件の前に、疑惑のフジテレビ・プロデューサーも交えて中居宅でバーベキューをしていたから、というだけである。
中居正...