異常気象と極端な気象災害

 温暖化が進むにつれ、気象の極端化も顕著になると考えられている。バーミンガム大学のスザンヌ・バーティントン准教授によれば、「気候変動は熱波、大雨、干ばつ、山火事の頻度と強度を大幅に増加させる」と指摘する。

 英国気象庁(Met Office)の研究では、2100年までに「過去最悪の豪雨」の発生確率が10倍に増加すると予測。ヨーロッパでは夏の降水量が47%減少し、冬の降水量は35%増加するという。これにより、大規模な洪水と水不足が同時に発生し、農業や都市インフラに深刻な影響を及ぼす可能性が高い。

 また、地球温暖化が進むことで、過去に例のない強力な「メガハリケーン」が発生するリスクも指摘されている。現在のハリケーン分類(サファ・シンプソン・スケール)を超え、「カテゴリー6」とされる暴風が最大風速310km/h(秒速約86.1m)以上の勢力で発生する可能性もあるという。