SF映画『スノーピアサー』や『デイ・アフター・トゥモロー』など、多くの作品が気候変動による破滅的な地球の未来を描いてきた。しかし、科学者たちは「現実はハリウッド映画よりもはるかに衝撃的なものになる」と警告している。
人工知能(AI)を用いた最新のシミュレーションでは、2100年の世界はかつてない環境変化にさらされる可能性が高いことが示唆されている。温室効果ガスの増加が続けば、多くの都市が水没し、猛烈な熱波により数百万人が命を落とす事態も想定されるという。
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気温上昇と干ばつの拡大
人類が排出する温室効果ガスによる気候変動は、数十年にわたり進行してきた。大気中に蓄積された二酸化炭素やメタンは、地球を覆う「毛布」のように作用し、熱を閉じ込めて気温を上昇させている。
欧州連合の「コペルニクス気候変動サービス」は、2024年が観測史上最も暑い年となったことを報告。地球の平均気温は産業革命前より1.5℃上昇し、その影響は年々顕著になっている。
国連の報告によれば、2100年までに乾燥地帯は現在の40%から50%以上に拡大し、干ばつの頻発により5億人以上が水不足のリスクにさらされる可能性がある。さらに、ヨーロッパでは「突発的干ばつ(フラッシュ・ドライアウト)」のリスクが32%から53%に増加すると予測されている。