オーナー企業のDMMは、1999年に石川県加賀市で創業され、わずか5店舗のレンタルビデオ店から始まった会社だ。ネット黎明期にあった1998年に、ビデオ通販・動画配信サイト「DMM動画」を立ち上げ、1999年には社名を「株式会社デジタルメディアマート」に変更。2010年に現在の「DMM.com」となった。

その後はコンテンツ配信やオンラインゲーム事業のみならず、証券会社、太陽光事業、農業事業、水族館運営、保険事業など手広く出掛け、もはやIT企業の枠を超えた一大コングロマリットとなっている。


立石敬之氏 写真:Getty Images

STVVのCEO立石敬之氏

DMMのSTVV経営参画の旗振り役となっているのが、STVVのCEO立石敬之氏だ。長崎県立国見高校の元MF選手で1987年度の全国高校サッカーで優勝を経験し、創価大学卒業後ブラジルでプロとなりECノロエスチ(1992)でデビュー。その後、ベルマーレ平塚(1993)、東京ガス(1994-1996)、大分トリニータ(1997-1999)と、いずれも当時旧JFLだったクラブを渡り歩いた。

現役引退後は大分のコーチを経て、2007年からFC東京の強化を担当し、2011年には強化部長に就任。2015年からはGMとして辣腕を振るい、その手腕が買われ2018年にSTVVのCEOに就任した。その実績は今さら説明不要だろう。

STVVはベルギーのクラブにも関わらず、日本企業とのスポンサー契約数は3桁にも上り、ネーミングライツによって付いたホームスタジアムの名前は「大王わさびスタイエンスタジアム」。クラブ運営だけではなく、スポンサー企業を集めた交流会を催してビジネスチャンスの場を設けるなど、企業に還元もしている。


シント=トロイデンのユニフォーム 写真:Getty Images

STVVの広告戦略とDMMアダルト事業の裏側