シント=トロイデンのユニフォーム 写真:Getty Images

ベルギー1部のジュピラー・プロ・リーグに所属するシント=トロイデンVV(以下「STVV」)。2017年6月から合同会社DMM.comが株式を取得し始め、パートナーシップを締結。同11月には、日本企業として初めて欧州クラブの経営権を取得したことで、サッカーファンから広く知られている。

DMMがベルギーのクラブを選んだのは、ベルギーリーグには国内で育成された選手を6人以上登録すれば外国人枠には制限がなく、かつ欧州のほぼ中心に位置することで、日本人選手がステップアップするためのハブとなるのに適しているためだという。

STVVは、DMMが買収するまでは1部と2部を行ったり来たりのエレベータークラブだったが、2017年以降、2桁順位が多いものの2部降格には至っていない。人口約3万9,000人の小さな街のクラブが1部で居続けていることで、現地のサポーターからも好意的に受け止められている。

ここではSTVVが日本サッカー界に残した功績と共に、将来的にDMMがサッカー界に貢献し続けるために必要な点を指摘していきたい。


遠藤航(シント=トロイデン所属時)写真:Getty Images

総勢23人の日本人選手が所属してきたSTVV

STVVに所属してきた日本人選手は、DMM買収前に在籍していたFW小野裕二(アルビレックス新潟)を皮切りに、今2024/25シーズン途中ジェフユナイテッド市原・千葉からレンタル加入した昨季のJ2得点王FW小森飛絢に至るまで、総勢なんと23人。小森は現在所属する7人目の日本人となる。

その中には、MF遠藤航(リバプール)、DF冨安健洋(アーセナル)、MF鎌田大地(クリスタル・パレス)、GK鈴木彩艶(パルマ)などステップアップに成功した現役の日本代表選手から、MF香川真司(セレッソ大阪)、FW岡崎慎司(現ドイツ6部バサラマインツ監督)といった元日本代表選手もいた。